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ボケ(木瓜)の花とつぼみ
鉢植えのボケ(木瓜)
■鉢植えのボケ(木瓜)の植え替え
ボケの鉢植えは、植え替えをせずにそのままにしておくと、根詰まりを起こして花が咲かなくなります。
できれば年に1回、少なくとも2年に1回は植え替えをしましょう。
通常、花つきで販売されているボケの株は、盆栽風に仕立てられて浅い鉢に植えてあります。
このまま浅い鉢で育てることもできますが、ボケは水を好み、夏の乾燥に弱いため、5†6号ほどの深めの鉢に植え替えたほうが水管理は楽になります。
2†3年生の苗の場合は観賞の鉢ものとしては貧弱なので、5†6号ほどの駄温鉢に植えて2†3年培養してから観賞鉢とします。
ボケ(木瓜)の植え替え手順
†ボケを剪定して鉢から根鉢を抜く。(植え付けをしてから剪定する方法もあります)
植え付けの時の剪定方法は株立ちの樹形にしない場合は将来芯にする芽の上で切ります。
他の枝は基部から2†3芽残して切ります。
†小さめの熊手などで土を落とし、根鉢の半分をくずす。
†ハサミで古い根を下から3分の1ほど切り詰める。
†用土は赤玉土5、腐葉土3、川砂2を混ぜたものを使用する。
†一回り大きいやや深めの鉢を用意する。底に防虫網を敷き、用土を2†3cm入れる。
†株を中心に据え、さらに用土を足して植えつける。
†割り箸などで軽く突き、根が用土に馴染むようにする。
†ぐらつくようなら鉢と株を固定するように紐(ひも)などをかけてもよい。
紐(ひも)は夏になったらはずしておきます。
†仕上げに水をたっぷり与える。(腰水で与えても良い)
植え替え作業後の管理
植え替え作業時に根を切っているため、直射日光を避け、風の当たらない場所に置きます。
肥料は植え替えて半月後、固形の有機質肥料を5号鉢で2粒ほど施します。
■鉢植えのボケ(木瓜)の剪定
鉢植えのボケ(木瓜)の剪定は、通常10†11月に行います。
伸びすぎた枝、芽のついていない枝や力のない弱い枝を切り取り、株のバランスをよくします。
放っておくとボケは細い枝がどんどん伸び、枝が重なり合って、日当たりや風通しが悪くなり、花がつきにくくなるためです。
ひこばえ(株の元から出る枝)は、株立ちの樹形にする場合は残しますが、不要な場合は元から切ります。
また春から伸びた枝は、6†7月に先端部分を少し切り詰めると芽が充実します。
上手なボケ(木瓜)の剪定のポイント
花芽ができるのは9月上旬です。
†花芽と葉芽を見分ける
ボケの花は枝の先端部ではなく、前年の春に伸びた枝の基部につきます。
2年枝以上の短い枝にも花芽をつけます。
また、ボケ(木瓜)は花芽と葉芽が同じ節には共存せず、葉芽は花芽より先端につきます。
まず花芽と葉芽をしっかりと見分けましょう。
11月に入ると花芽が丸みを帯び、比較的見分けがつきやすくなります。
†葉芽を2†3芽以上残して切る
剪定の際、花芽だけを残してそれより先端にある葉芽を切ってしまうとその枝は枯れてしまいます。
葉芽をいくつか残して、春から夏に充実した枝を伸ばすようにすると花つきがよくなります。
そこで花芽の先に葉芽を2†3芽残して剪定します。
鉢植えのボケ(木瓜)の年間管理
■置き場
ボケは日光を大変好む植物です。
暑さ寒さにも強いので年間を通じて日当たりのよいところで育てます。
ただし、開花中は室内に置いてもかまいません。
■水やり
ボケは水は好きなので特に夏はたっぷりと水を与えましょう。
水切れすると8†9月ごろに葉が褐色になったり、落葉したりします。
ボケの根は細根が少なく、水切れを起こすと細根が傷み、このような症状が出てきます。
鉢土の表面が白っぽく乾く前にたっぷりと水やりをしましょう。
特に晩春から夏にかけては1日2回たっぷりと与えましょう。
■肥料
ボケは肥料を好む植物です。
3†10月までの間は、1†2ヶ月に1回の割合で固形の有機質肥料の大粒を5号鉢で2粒ほど施します。
庭植えのボケ(木瓜)の育て方
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庭のボケ(木瓜)
ボケは暑さにも寒さにも強い植物なので、極寒地以外は日本中どこでも栽培可能ですが、極端な乾燥には気をつけます。ボケの利用法としては生垣仕立てや外周が低い場合は目隠しなどがあります。
■場所
・日当たりの良いやや湿り気を帯びた場所が最適です。(半日以上日光が当たる場所)
・乾燥に弱いので砂質地は避けます。でも水はけの悪い粘土質なら砂を混ぜます。
■ポット苗木の植え方
植え付けの時期は秋(9月中旬†10月中旬)です。
・深さ30cmほどの植え穴を掘っておきます。
・底に鶏糞や堆肥などの有機肥料を5†10cmほど置き、庭土を中高に入れておきます。
・ポットから抜いた苗は古土をすべて取り、長すぎる根は切り詰めて植えます。
・残りの庭土を戻して苗木を植え、株元をよく踏み固めます。
・水鉢を作り、水をたっぷり入れます。
※水鉢・・・植えた株の回りに土で土手を作ること。そこに水を入れると回りに水が流れず植え込んだ根にしみていく。
■水やり
普段は水やりは必要ないですが、乾燥が続くなら水を与えます。
■肥料
毎年寒肥とお礼肥えを施します。
寒肥・・・・12†2月に鶏糞や油カスなどの有機肥料やぼかし肥料、または化成肥料(NPK8:8:5)
いずれも樹冠下に輪状(または部分的にでも)に穴を掘り2†3握り入れ、土と混ぜます。
お礼肥え・・・花後に同様に行ないます。
■剪定
基本的には毎年、庭植えのボケの剪定も鉢植えと同じ時期に行ったほうがよいでしょう。
丈が高くなりすぎた枝は、つけ根から切ります。
ひこばえは残して株立ちにしますが、枝が込み合う場合はつけ根を切ります。
株立ちにしない場合は主幹を残し、ひこばえは切り取ります。
伸びすぎた生育の良い枝は5†6月に基部の1†2芽を残し剪定します。
10†11月には花芽が見えてくるので、ふところ枝を付け根から切り、春から伸びた枝は1枝の2†3芽を残して剪定します。
ここは毎年4†5本残してひこばえは切っています。
ボケ(木瓜)のひこばえ
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病害虫の防除
■赤星病
ボケなどバラ科の植物に多く出る病気で、5†6月に葉の裏に赤褐色の斑点ができ、さらにひどくなると落葉して翌年の花つきが悪くなります。
赤星病は冬にカイヅカイブキやビャクシン類を宿主とし、春にはボケなどに宿主を移します。
したがって近くにビャクジン類があるとこの病気にかかってしまいます。
4月上旬†5月までは10日に1回マンネブ剤を散布して予防します。
もし赤星病の症状が見られたら1†2節残して新梢を切り戻します。
■チャノミガ
我家では2007年の秋はチャノミガの大被害がありました。
小さなミノムシですが集団で葉をたちまち全滅にしてしまいました。
チャノミガ 2007-9-9
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チャノミガの被害で葉が全部なくなってしまった。 2007-9-9
少し早い剪定だけどこの後すぐに剪定しました。
かなり短く剪定しましたが花も多少少ないぐらいで普通に咲きました。
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■グンバイムシ
梅雨明けから9月ごろにかけて葉が白っぽくなったり(樹液を吸った跡)、葉の裏に黒い点に見える糞がついたりします。
10日に1回MEP剤を散布します。葉裏にもかけましょう。
ボケ(木瓜)の葉表がナシグンバイの吸汁により、全体が白っぽく見える。
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ボケ(木瓜)の葉裏にいたナシグンバイの成虫。
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ナシグンバイの成虫と幼虫。まだ夏なのに葉が茶色くなって、落葉寸前。
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■アブラムシ
消毒をさぼっていたら、ボケ(木瓜)の新梢にアブラムシがビッシリと。
よく見るとなにやら白いものが・・。これはアブラムシの天敵のコクロヒメテントウです。
関連記事 テントウムシの種類と画像 天敵(てんてき)としてのテントウムシ
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■根頭がん腫病
根に褐色の丸いこぶができる病気です。
すぐに枯れることはありませんが、樹勢が衰え、他の根にもうつります。
この病原菌は高温期に活発になり、植え替え時に根の切り口から侵入します。
この病気が発生しにくい秋が植え替えの適期です。
もし植え替え時に病害部分を見つけたら、その部分をすべてナイフやハサミで切り落とし、切り口をストレプトマイシン剤に浸してから植えつけます。
■ボケ(木瓜)の果実を「シドミ」と呼んでいますが、「シドミ」で調べたらクサボケの果実をシドミというそうです。我が家のボケ(木瓜)は「クサボケ」か「ボケ(木瓜)」のどちらなのでしょう?
「クサボケ」は日本原産でトゲが多く、実も小ぶりということです。やはりボケ(木瓜)かもしれません。
3ヶ所に植えてあるボケは株分けしたと記憶があって同じ種類と思っていたのですが、不思議なことに木姿が横張り型と縦に伸びる型なのです。株分けは記憶違いかな?
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子供のころ、春には近くの山林にボケ(木瓜)の花が咲き、秋には「シドミ」が黄色く色づいていました。
そのころと比べると、現在は山林が荒れ果て中には入れません。そのボケ(木瓜)の花は多分「クサボケ」の花だったのでしょうね。
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