●果樹 ユズ、ハナユズ 育て方のポイント

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豊作だった我家のハナユズ 2008/12-7

ユズ(柚子)
柑橘果樹を庭に植えると代々(橙)家が栄えると言われています。
ユズの枝には鋭いトゲがあり、果実の表面はでこぼこしていて香りの良さが特徴です。
ユズは5†6月に花径1†2cmの白い花を咲かせます。
収穫期は果実の色が鮮やかな黄色になる秋から冬です。

このあたりではホンユズやハナユズ(ハナユ)を植えている家が多いですが、近年はジャンボユズも見かけます。
ジャンボユズは大ユズ、獅子ユズとも言われています。
大ユズ(ジャンボユズまたは獅子ユズ)は果実径が15cm前後にもなり、食用にはあまり使われないようです。
ホンユズの果実はハナユズと比べると大きいけれど、ジャンボユズと比べると大人と子供のようです。
お隣の家にもジャンボユズがあり、暮れに縁起物の飾りにと持ってきてくれます。
このジャンボユズはまだ植えて4†5年ですが、我が家の約25年のハナユズより大きくなっています。

ユズといえば冬至のユズ湯です。
我が家では冬至だけではなく、冬のお風呂はハナユズをおもいきりたくさんプカプカ浮かべています。

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ホンユズ(左)とハナユズ(一才ユズまたはハナユとも)

ホンユズの主な種類
◎木頭(きず)ユズ・・・ 徳島県木頭村でされた大果で豊産性。
◎山根ユズ・・・ トゲが小さく早期結実品種。
◎多田錦(ただにしき)・・ 無核(種無し)ユズ。

多田錦は果実径が5†6†と少し小ぶりで、トゲが少なく種子がほとんど無く、果汁が多い。
酸味は強く、本柚子と同等でポン酢などに向いていて隔年結果性も少ないそうです。
ホンユズより耐寒性がやや劣るようです。

この辺りでは「桃栗3年、柿8年、柚子のばかやろう18年」といいます。
地域的に言い回しや年数は多少違っていても、似たようなことわざがあるように、ユズは種から
育てる実生栽培では気の遠くなるほどの長い時間がかかります。
接ぎ木苗なら早くて3†5年で結実するようです。


ユズの育て方
ユズの原産地は中国です。日本で栽培される代表的な柑橘類のなかではもっとも耐寒性が高いみたいです。品種によって差がありますが、ユズの最低耐寒温度はマイナス5度です。
福島南部以南ぐらいの平野部では露地栽培が可能ですが、北風や浜風が強い場所では寒冷紗などで風避けし、株周りを敷きわらやバークチップ等で覆うマルチングをしたほうがよいかもしれません。
生長すると樹高は2†4mくらいになります。


◆ユズの植えつけ・.植え替え・移植
◎適期
ポット苗の場合は厳寒期、真夏を除きいつでも可能です。
暖地で秋†冬に植えつけるときは敷きわらなどでマルチングをします。
植え付けの最適期は3月上旬から4月上旬です。
寒いところでは暖かくなるのを待って植えつけをします。

◎植え場所
日当たりがよく、西日や寒風が強く当たらない場所で育てます。
水はけの良い、肥沃な土を好みます。


◎方法
・地植えにする場合・鉢植えにする場合のどちらも、接木苗のテープをはずし、根に十分水を施します。
 裸根の場合は半日、吸水させてから植えます。

・掘り上げた土に3割の腐葉土を混ぜておき、ポットから出した苗木を根鉢を崩さずにそのまま植え
 つけます。発酵済みの堆肥を混ぜた場合は、根が直接当らないように10cm以上は離します。

・根鉢を地表と水平かやや高い位置に調節します。

・腐葉土を混ぜた土を戻したら、軽く踏んでおきます。

・接ぎ口は必ず地表に出すようにします。

・やや浅植えにした方が落ち着いてからの根張りが良くなります。

・後に雨でくぼむことを考慮してやや高めに盛土をします。

・植えつけたら水鉢を作り、その中にたっぷりと水を入れます。


・自然にしみこんで落ち着いたら、木の大きさに応じた支柱を立てます。
 苗が風などでぐらつきと、根もそのたび動くので活着が悪くなるからです。
 小さな苗なら、支柱を使わなくても大丈夫です。


※柑橘類などの常緑樹は根を切らないように気をつけ、もし根を切った場合は葉を少なくして蒸散を防ぐために枝を少し間引いてやります。


※苗木を植えてから葉が落ちるのは根が乾いたからと考えられ、一時的なもので心配ないものです。


◆肥料
調べたら萌芽前3月と7月と10月下旬†11月中旬に肥料を3回与えるとありますが、我が家では植え
てから一度も肥料を施したことがありません。
庭は元は畑だったところなのできっと養分が豊富なのでしょう。
でも25年も経っているのですから栄養分は使い果たしているはずです。
ユズの隣の植物には時々肥料を与えているからそれを横取りしているのか、又はブロック塀の前はよその芝畑になっているので、根がブロック塀の下を通るとか芝の肥料が庭に流れてきて肥料をいただいているのか・・・どちらなのでしょうね?


やせ地では木が育ち上がるまで肥料が必要かもしれませんが、普通は施さなくてもいいかもしれないですね。ユズの木の育つ様子を見ながらでいいのではないでしょうか。
我が家はハナユズですが、後ろの家では本ユズです。やはり肥料は施さないようです。
後ろの家では接木のユズを購入して実がなり始まったのですが、一度移植したのでしばらく実がなりませんでした。苗を購入してから15年ぐらいでぽつぽつ10†20個ぐらいなり始まったようです。


苗のときは木を大きく育つことを第一に(ユズの木を大きくしてもいい場合)、ある程度の大きさになったら、リン酸やカリ分主体の肥料を施し、そして実生りが悪かったら環状剥皮、断根をすると書いてある本もあります。

◆植え付け後の剪定
我が家のハナユズは全体の形は自然にまかせてきたら、現在半円形に近い形になっています。
我家では毎年2月下旬†3月下旬に込み合う枝だけを間引きます。
そうすると樹冠内部にもよく日が当たるようになります。
たくさんなったら摘果するとよいのでしょうが、いまのところ下の手が届くところだけしています。

成木時代の整枝は側枝の間引きが主体となり、樹冠内に結果母枝が適当に散在するようにすることがポイントのようです。
柑橘類は去年伸びた枝の先端付近に花が咲き結果するので、枝の先端を切り落とす剪定にすると実がなりません。
枝が混んだら、枝分かれのところで混みすぎた枝を間引くとよいと思います。


もうひとつは枝がわん曲したところの部分まで切り返し、ここに出た新梢を結果母枝とし、従長枝の発生をおさえる方法です。
または春枝までもどって切り返しをし、ここから発生した枝を翌年の結果母枝にする。
わん曲したところがなかったら、枝を水平に引っ張っておき、人工的に1年以上は放置します。
そしてなり始まると、あとは毎年着果するようになるそうですよ。


なり始まると、あとは毎年着果するようになるということを私なりに考えると、果物がなるとその重みで枝が必ず曲がってしまうわけですよ。その曲がりが頂芽優勢性の法則で花が付くということではないかな?  
なるから曲がる→曲がるからなる→なるから曲がる・・・ 違うかな? 当たり前のことかな?
柑橘類だけではなく果物、花などの植物は大体頂芽優勢性ですから、この性質を利用して剪定したり、つるを横に這わせて花を咲かせるわけです。
※後述にありますが、果物はある程度体が大きくならないと花が咲いて結実しないようです。


でもこんなに毎年たくさんなると収穫が大変なので今年はどんな剪定をするべきか?
ハナユズがならないようにするというなんとも贅沢な悩みになってしまった今日この頃・・・
実際1月の現在まだこんなに残っています。ずいぶんたくさん収穫したのですが・・
取っても取ってもどこを取ったのか分からないくらいです。
このあたりはどこの家にもユズがあるのでもらってくれる人もいないのです。
食べてみたら、まだみずみずしいので頑張って収穫して、いろいろ利用しましょう。



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昨年もたくさん木になったまま残っていました。
今年はユズの木が消耗してしまい、実が付かないという予想でしたが見事に裏切られ、今までで
一番の豊作でした。
2年続けての消耗なので、次は無理かと思いますが、どうでしょうね?


◆収穫、貯蔵
8月下旬から10月中旬までの間は、緑色果を随時収穫して利用できます。
7†8分黄色に着色したところで収穫すると果汁がもっとも多く、賞味の適期だそうです。
1月末の木になったままのユズと室内の11月に収穫したユズを食べ比べしたら、室内のユズの果汁のほうがジューシュウでしたよ。皮は木になっていたほうが新鮮でしたが・・・


◆病害虫
3†4月頃の新芽時のアブラムシやハダニ、カイガラムシが発生しやすいので、早めに消毒します。
手入れが遅いと落葉したり、すす病を起こします。

すす病、黒点病とも日当たりの悪い場所で発生しやすく、また日当たりが良くても、枝が込み合って内部まで陽が入らない場合にも発生しやすくなります。
すす病はカイガラムシ類やハダニ類等の害虫の排泄物が原因なので、これらの害虫を予防したり退治することが大切になります。
カイガラムシは12†1月にかけて、マシン油乳剤を散布します。
ハダニは水道のホースの圧力を強くして葉裏にかけます。
アゲハチョウなどの幼虫もつきます。
木が小さいときはまたたく間に葉を食害してしまうので、よく観察します。
木が大きくなると被害がなぜか目立たなくなります。
ミカンサビダニには夏場の防除が必要で、梅雨明け直後から散布して駆除します。


我が家の柑橘類もすす病がひどい年は枝が込み合い、消毒も一度もしなかったことが原因です。
翌年、反省して枝を透かして、消毒を1†2度するときれいなユズやミカン、甘夏、フクレミカンが生ります。
※最近は剪定をサボり続け、消毒もしなかったので、イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)がビッシリ付いてしまいました。

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↑↓アオバハゴロモの幼虫  
白い綿状で最初動いたときはビックリ! 白い綿で隠れているつもり?


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幼虫、成虫ともに木の汁を吸う。
動かないような感じですが、つかもうとするとピョン飛んで逃げてしまう。
多発するとすす病を発生する。有機リン系殺虫剤が有効です。

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アオバハゴロモの成虫

ユズは苗を庭植えにすると、なかなか実が付きません。根が制限される鉢植えの方が実付きがよいです。
これは庭植えにすると木が勢いがつき、育つことを優先させるからです。
ある程度大きくなると、実がなり始まります。


どうしても実付きが悪いときは、地上部から30-50cmくらいのところを環状剥離するか、針金で締め付けて生長を抑えるという方法もあります。
またウンシュウミカンにユズの高つぎをするとコンパクトな枝ぶりになり、実つきがよくなるそうです。


また、秋に実をつけたら早めに収穫しましょう。先ほどの我家のユズは特別?
一般的には遅くまで木に実をつけておくと、翌年の実付きが悪くなります。

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鉢植えのユズ
◆置き場所
ユズは、ミカンよりも寒さに強いので、特別な対策は必要ありませんが、寒い地域では鉢植えは根が凍害を受け易いので露地に鉢ごと埋めたり、日当たりのよい南向きにとり込んで越冬させましょう。

4月から10月までは日当たりの良い場所に置きます。
鉢植えは水切れ、肥料切れを起こしやすいので注意します。


◆水やり
 生長期は表土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。とくに開花中の水切れは落花の原因になるので注意が必要です。真夏の乾きが激しい時は1日2回ぐらい様子を見てします。


◆肥料
生育期は2ヶ月に1回、有機固形肥料を鉢の回りに埋め込みます。


◆植え替え
鉢底からヒゲ状の根が出てきたら根詰まりを起こしているので一回り大きな鉢に植え替えます。

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