タマネギ栽培 詳しいタマネギの育て方と画像
タマネギ,育て方,種まき,植え付け,栽培,栄養,効能,保存我家のタマネギ 2008/5-23
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◆タマネギの品種
タマネギは収穫時期によって早生品種と中晩生品種に分けられます。
種苗メーカーにより品種がたくさんありますから、目的に応じて早生品種、中晩生品種を確かめてから購入します。
早生品種は春先の早い時期から肥大が開始し、早い時期から収穫が可能ですが、貯蔵性は劣ります。春に柔らかな白っぽいタマネギが店先に並んでいるものが早生品種です。
中晩生品種は、早生品種と比べると肥大開始がやや遅く、収穫時期も遅くなりがちですが貯蔵性には優れています。
ですから長期保存を考える場合は中晩生品種を選びます。
タマネギの育て方
◆タマネギの種まき
・種まき時期
まき時は関東以西の平坦地の気温を基準とした場合、極早生、早生は9月上旬~中旬に中生、晩生は9月中旬~下旬と品種によって違います。
購入したタマネギがどの品種かよく確かめてからまいてください。
定植のときに大苗になるような極端な早まきはトウ立ちの原因になるので適期にまきます。
初めての人は晩秋に苗を購入して植えつけたほうが手軽にできます。
私もその年によって苗を購入して植えたり、また種まきから育てたりといろいろです。
・苗床の準備
種まきの2週間前
苗床全面に1㎡当たり完熟堆肥(細かく砕いたもの)2kgと苦土石灰か熔成燐肥(ヨウリン)を一掴(つか)み、まいてよく耕しておきます。
種まきの1週間前
元肥として1㎡当たり化成肥料を一掴(つか)みずつまき、軽く耕しておきます。
あるいは長い栽培期間なので、ぼかし肥料、穏効性肥料ならgood。
そして雨が降っても水が溜まらないように、高さ15㎝程度にして平らにならします。
種まき
床の表面を板切れなどで丁寧にならしたら、まんべんなくタマネギの種をまきます。
種まき後、4~5mmの厚さに覆土し、手のひらで軽くおさえて水やりをしておきます。
草木灰、もみ殻くん灰などを土が見えなくなる程度に覆い、さらに細かく砕いた完熟堆肥を、薄くかけます。タマネギの種は光が当たると発芽しにくい(嫌光性種子)ので、覆土をきちんとします。
タマネギは種子の寿命も2年までと短いので、冷蔵庫に保管する、または1袋全部まいてしまって、苗を欲しい人に分けてあげたほうがいいかも。
小さな苗は乾燥に弱いので、あまりに乾燥するようでしたら水やりをします。
※我が家の種まきは上ほど丁寧ではなく、市販の花や野菜の培養土をポリポットやプランターに入れるだけの下準備です。
そこに肥料も入れずに直に種をまいています。上記リンクのタマネギのプランター栽培記にあります。
■肥料
発芽してからは混み合ったところを間引いて1cm間隔ぐらいにします。
草丈5cm前後になったら1回目の追肥、その倍の高さになったら2回目の追肥をします。
追肥は化成肥料をパラパラ程度まき、その化成肥料が見えなくなるぐらいにふるいで土入れしておきます。肥料の与えすぎは根が傷んでしまうので、1㎡当たり大さじ1ぐらいと少なめです。または規定に薄めた液肥でも。
■間引き
タマネギが発芽して、草丈が5~6㎝になったころ苗が込み合っているところや生育の悪い苗を間引きます。
移植は苗が草丈が20~25㎝、径7mm前後 になった頃です。
※長い間、径7mm前後のところをなぜか径4~5mmと間違って記述していました。一番大事なところでしたが・・・m(_ _)m
タマネギの苗も定植するまでに、育ち過ぎや小さい苗では問題があるので種まきの時期が重要です。
品種・住んでいる気候などを考慮して判断します。
時期がわからないときは農協またはタマネギを栽培している近所の農家に相談することをお勧めします。
・・・・ここまでが種まき・幼苗の育て方です。
これからがいよいよ苗の植え付けです。
初めてのかたは苗を購入してここから始まったほうがよいと思います。
今年(2008年)は我が家は苗からの植え付けでした。
家庭菜園 タマネギの苗の植え付け
植え付けの2週間前に条植えなら畝に、ベッド植えなら植え床全面に苦土石灰、過リン酸石灰、熔成リン肥(ヨウリン)のいずれかを㎡当り一つかみ(㎡当り200g)施しておきます。
9月に種まきしたタマネギの苗は、草丈20~25cm、径7mm前後 になったころが植えどき(移植)です。
植え付けの時期は10月下旬~11月中旬頃で、寒い地域ほど早く植え、寒期までに十分根が張るようにします。
ベッド植えは、幅80cmに12×12cm、ジャンボタマネギなら15×15cmの株間で植えます。
大きくなったタマネギの球がぶつかってしまわないように、少し余裕を持たせて植えます。
深植えを避け、やや寝かせるように植え、株元の土を締めつけておきます。
条植えでは、冬越し前と春先の育ち始める前の2回、列の片側に軽くクワなどで溝をつけて化成肥料を施します。
ベッド植えでは株間の所々に(マルチでは小穴を開けて)施します。
球が肥大し始めてからの追肥は、貯蔵性を損ねるので避けます。
早植えすると年内に苗が大きくなり、トウ立ち(抽苔)するので、注意してください。
トウ立ちの原因としてはその他に生育不良、春の異常低温・高温などがあります。
◆タマネギの肥料
タマネギは冬に入るまでに十分に根を張らせ、春になったらすぐに勢いよく育つようにすることが大切です。そのためには、元肥にはリン酸成分を多めに与えます。
タマネギは、年内の窒素量が多いと耐寒性が低下して、病害、枯死株が多くなります。
また年を越し、生育後半~収穫間際の期間にリン酸が効いている場合も腐敗が多いようです。
カルシウムやマグネシウムなどの不足でも腐敗しやすく、元肥に上記の苦土石灰などもお忘れなく。
タマネギの裂球は、追肥時期の遅れが主な原因で、球の肥大が進んでから肥料を施したり、葉が倒れきっても収穫せずに、収穫の時期が遅れてしまったことなども。
◆その他の管理
凍霜害で小さい苗が根ごと浮いてしまい枯れてしまうことがあります。
1~2月は畑を見回ったときに足で踏み込んでおきます。昔、麦踏みを手伝ったことを思い出します。
冬の霜害のときに踏むと根が浮くのを防止するほかに根を丈夫にするという話もあるようです。
他の植物なども小さな時に頭をなでるとか踏むと根が張って丈夫になるということです。
まだ比べてはいないので、はっきりとはいえないですが・・・
子供のときに、苦労させるとたくましくなるということと似ているのかな?
寒さが厳しい地方は防寒のため条間に敷きワラ等を行い、凍霜害を防ぎ、翌3月にこれを除去します。完熟たい肥などを株の周りの地表に与えておくと、霜柱で根が浮き上がるのを大分防ぎます。
今年は我家ではモミガラ薫炭を敷き詰めてみました。モミガラだけでもいいですが、関東の空っ風で飛んでいってしまいます。霜害で根が浮き上がり、枯れることもあるので、時々踏み固めます。
やはりこのあたりでは、下記の穴あきポリマルチなら一番いいのかと思います。
霜で根が浮き上ったところ
11-17
穴あきポリマルチを覆い、その穴に4、5粒種まきし、間引いて1本立ちにする直まき栽培法もあります。又は苗を別の苗床に作っておき、穴あきポリマルチに植えつけます。
ポリマルチを張ると除草の手間が省けるし、質のよいタマネギもできるような気がします。
ポリマルチをするときは元肥にはゆっくりと効く緩効性肥料を施します。
春先、乾燥が続くときは穴に水やりをしますが、条間に穴をあけておき、雨水を取り込むようにしてもよいです。
近所のマルチ栽培のタマネギ。やっぱりマルチ栽培のほうが我家のタマネギより立派!
でも我家のだって結構よいタマネギができましたよ。
2008/6-17
◆タマネギの病害虫
冬から春先にかけて、温暖多雨の時に病害が発生しやすいので、排水に努め、早目に予防的な散布を心がけてください。
◆タマネギの収穫(貯蔵を含む)
5月頃に茎葉が70%前後倒れたら収穫します。葉が枯れてからでは腐敗球が多くなって、萌芽が早く、長持ちしなくなります。貯蔵用にする場合は、3~5日間晴天が続いた後抜き取り、2~3日畝の上で乾燥させてから、風通しのよい日陰に吊るしておきます。
乾燥後、ネットなどに6~7個ずつ入れて湿気がない、冷暗所に吊るして保存します。
収穫の時期を逃して、長く畑におきすぎたものや、逆に早取りしたものはあまり保存性が良くありません。吊るす前に球がカビているものや傷んでいるものを選別しておくことも大切です。
次に品種による保存性の違いですが、泉州黄や札幌黄に代表される品種群は保存性が良く、愛知白や湘南レッド、アーリーレッドなどの品種は水分が多く、保存性は泉州黄などに比べて低いようです。ただ、保存性の良い品種でも早取りしたものは水分が多く、保存性は悪くなります。
休眠(生育に適した時期になるまで活動量を極力小さくして、養分を維持しようとする現象)はタマネギの場合、2~3ヶ月(周りの環境によって長さが変わってきます)です。
秋に芽が出たタマネギ 2007年収穫のもの
上のタマネギを植えておくと春には下の画像ぐらいになります。
このタマネギはこれで収穫してしまいます。これ以上おいても「とう」が立ち、実は大きく育ちません。葉タマネギとして料理すると葉まで柔らかくて美味しいです。
茹でて酢味噌をかけてもおいしいですよ。
またネギのように味噌汁や炒め物やチャーハン、薬味などに利用することもできます。
↓
2008年春の状態
この葉タマネギは炒めてから砂糖、味噌で味付けして食べました。子供のころに母親がよく作ったくれた懐かしい料理です。お袋の味というけれど代々受け継いだ我が家の味が一番です