ヤマブキの育て方 ヤマブキの花と万葉集
ヤマブキ,花,枝垂れる,一重,八重,剪定,育て方,万葉ヤマブキの花。5枚の花弁があります。
ヤマブキ
ヤマブキはバラ科ヤマブキ属の落葉低木で、このあたりではゴールデンウェーク前の4月中旬~下旬にかけて鮮やかな黄色の花を咲かせます。たくさんの株数があると夕方になってもそこだけ明るく感じます。
ヤマブキの茎は細く柔らかく、立ち上がっても先端近くが自然に曲がるというか傾いてきます。
ヤマブキは日本の山林に自生しているとのことですが、この近辺では昔から自生しているのは見たことがありません。切花としても趣がありステキです。我が家の料理の画像を撮ったときにヤマブキを添いたら、料理が倍ぐらい高級に見えましたよ。
ヤマブキにはほかにも八重ヤマブキ、菊咲きヤマブキ、斑入りヤマブキ、白花ヤマブキなどがあります。
白花ヤマブキは違う品種の花弁が4枚の白ヤマブキとは違います。
我が家のヤマブキ(一重)
ヤマブキの花芽は膨らみがあります。
3-30
ヤマブキの葉芽は細いです。
3-30
ヤマブキのつぼみ
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横から見たヤマブキの花。
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枝垂れる様がいいですね。花が少ないほうがもっと風情があります。
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秋のヤマブキの黄色の葉。黄紅葉というのでしょうか・・
12-11
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2010年のヤマブキ
2010/4-17の雪。この時期では41年以来の降雪というから驚き!
チラホラと咲き始まった矢先の雪でした。
でも柔らかいつぼみや花は案外寒さに強く、雪の被害はありませんでした。
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寒い日、暖かい日が極端な今年のお天気・・
でもヤマブキの花が散り始めると、いよいよガーデニングが忙しいゴールデンウェーク到来です。
2009-4-30
ヤマブキは高さは2m前後ぐらいまでしか伸びません。
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ヤマブキの育て方
◆植え付け時期
ヤマブキは落葉樹なので、基本的には移植や植え付けは9月~入梅までに行います。
寒冷地の極寒期は避けたほうが無難です。
◆植え付け用土
西日の当たらない肥沃な湿潤地が理想ですが、我が家のヤマブキは朝~夕方まで日当たり十分です。元気で毎年よく咲いています。
ヤマブキの株元は自身の枝垂れた枝やリュウノヒゲが植えてあるので直射日光はあたりません。
植え付けの際は堆肥を多めにすきこむことで排水や水もちが良くなります。
◆剪定方法
ヤマブキは株元から元気のいい徒長枝を出し、古い枝から枯れ下がります。世代交代です。古株は3~4年に一度根本から切り戻して更新させます。
私の剪定は冬~春に行い、密集している枝や枯れこんだ古い枝などを間引くように剪定します。その際枝垂れている枝は残しておくとヤマブキを良い雰囲気にします。
冬は細い枝先が枯れこみが多いですが手で折ったりハサミで選定しておきます。
面倒ならそのままにしておいても不自然には見えません。
剪定を半分ぐらいサボったので枯れ枝がある
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◆肥料
やせ地では寒肥として株の周りに浅く溝を掘り、堆肥と油粕などをにすき込みます。ですが我が家では施したことがありません。
近所のヤマブキも竹林の端にありますが、毎年楚々とした雰囲気で咲いていますが、風情があります。
◆病害虫
今まで10年間育てたのですが病害虫はほとんどにありません。
◆ふやし方
株分けか挿し木で行います。
挿し木の適期は6下旬~7月で、今年伸びた新しい枝を切り取って挿します。
発根しやすく、真夏と真冬以外なら可能です。
でもヤマブキは地下茎を伸ばしてふえるので、それを落葉期に植えると簡単にふやせます。群生してくるので、むしろ困ってしまうくらい・・・
カレンダーで見た京都・松尾大社の(八重?)のヤマブキが堀に枝垂れている様が素敵でした。
個人的には一重が好きですが、八重も見直しました。
ヤマブキを見たら万葉の昔に想いを馳せるのも一興かと・・
高市皇子(たけちのみこ)が異母弟にあたる十市皇女(とおちのひめみこ)の亡くなったときに詠んだ山吹の歌
※十市皇女は天武天皇と額田王の間の子で宮中で急死。
その後、異母弟にあたる高市皇子が詠んだ歌三首の中の一首
山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく
山吹が飾りを添えるようにほとりに咲いている山の泉
その水を汲みに行きたいと思うけれども、道を知らないことよ。
死後の世界を黄泉の国というそうな。
古代シュメールの叙事詩『ギルガメシュ』に見える伝説
―西方に生命復活の泉があり、そのほとりに金色のキク科の花が咲いている―
この伝説がシルクロードを通って日本にまで伝わり、キクが山吹に取って代わられたのではないか、と。
すなわち「山清水汲みにゆかめど道の知らなく」は、皇女の生命を復活させる泉に水を汲みに行きたいのだが、その道がわからない、と言っていることになる。
土居光知『古代伝説と文学』より
そこまで想うとは異母妹の十市皇女が相当好きだったんだろうなぁ・・・
昔は異母妹や姪と結婚するのは当たり前の時代だったようです。