クチナシの花・実の画像 クチナシの育て方
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クチナシ(梔子) Gardenia jasminoides
アカネ科 クチナシ属
常緑低木 高さ1,5~2m
花 期 : 6月~7月
実 熟 : 11月~12月
花言葉 : 洗練・優雅・清浄・幸福・純潔・喜びを運ぶ・沈黙
分 布 : 日本(本州・四国・九州・沖縄) 、中国、台湾
クチナシの白い花はもちろん美しいものですが、なんといってもめまいがするほどのよい香りが特徴でしょう。
玄関前にクチナシを植えてあるのですが、うっとうしい梅雨の最中でも白い花が咲き始めてその香りがすると毎年幸せを感じさせてくれます。
クチナシは早春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイと並び芳香花木の代表になっています。
芳香花木があると季節の香りを毎年届けてくれるのでよいものです。
学名の種名Gardenia jasminoides は「ジャスミンのような」という意味があります。
「クチナシ」の名前の由来は果実が熟しても口を開かないからといわれています。
また「くちなし」の名前から「朽ち無し」=朽ちることがないという意味で、縁起物として結婚祝い、結婚記念日、開店や開業祝いに贈られる方が多いとのことです。
18世紀にヨーロッパに入ると、クチナシのかぐわしい芳香がうけて、恋人に贈るようになったとか・・・
クチナシは鉢植えや庭に植えたり、または刈り込んで生垣としてもよいものです。
一重咲きものは樹齢を経ると枝打ちがあらくなるので、刈り込み剪定には適していないので、自然樹形を楽しむようにします。
クチナシの品種
クチナシの種名はGardeniaですが、花も葉も大型のもの(オオヤエクチナシ)や矮性品種を使った鉢物がガーデニアの名前で出回っているようです。園芸種の意味で使われているのかもしれません(?)
鉢植えに向く矮性変種のコクチナシ(ヒメクチナシ)も、八重咲きで非常に小型で高さ40cm程度にしかなりません。
そのほかマルバクチナシ、斑入りクチナシなどがあります。
我が家の一重のクチナシの蕾 らせん状に巻いています。
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クチナシの花は6裂した白の厚い花弁で、6本のおしべと太いめしべがあります。
クチナシの花持ちは4日ほどで生け花・ブーケに使われることもあります。
開いた花(左)と開く途中の花と開き始めたクチナシの花(右)
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クチナシの純白な花びらは次第に黄味を帯び、最後は茶色くなってしまいますが、香りは最後までしっかりと残っています。
なおクチナシの花は生でも火を通しても食べられるということ。今度咲いたら試してみようかな。もちろん消毒しないものをですが・・・
スズメガ類(オオスカシバ)がそのころたくさんでるのでむずかしいかな?
虫のいない枝を早めに切って家の中におけばなんとかなるかな?
クチナシの芳香は真夜中がいちばん強く、これは受粉のために昆虫を引き寄せるためと考えられています。受粉はスズメガ類(オオスカシバ)によっておこなわれるそうです。ということはスズメガ類がいないと受粉できないのでしょうか? 夜中に何の音かなと思って、よく見たらオオスカシバが5~6匹、クチナシの花の吸蜜にきていました。
スズメガ類(オオスカシバ)は葉を丸かじりするけど、クチナシの実をつけるためには必要な存在なの?
※オオスカシバの幼虫と成虫の画像が下にありますが、虫の苦手な人は最後は見ないでください。
少し黄色くなり始めのクチナシの花
咲き終わった花の下から出た芽の先に花をつけるなどして順に咲きます。
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八重咲きの品種は実がならないが、一重咲きものは実がなります。
果実は漢方では「山梔子(さんしし)」と呼んでいます。
クチナシの青い実 7-31
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10月になると黒っぽく色づくクチナシの実 10-3
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時期的に11月終りから12月中旬にかけて収穫の時期になりますが、花の数だけ実を結ぶわけでもないのですが、毎年かなりの数がつきます。
クチナシの実 1-7
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鳥にときどき食べられながらもまだ付いている 1-22
でも辺り一面に雪が積もると必ず鳥が来てついばんですぐに無くなってしまいます。なんていう鳥なんだろう?(ヒヨドリでした)
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クチナシの果実にはサフランの色素の成分と同じカロチノイドの一種クロシンが含まれ、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられていました。
年末になると親戚の家では栗きんとんやたくあん漬けを沢山作るので、我が家のクチナシの実を使っています。もう何代も前の親戚がそのころになるとたずねてくるわけです。クチナシの実がなかったらおそらく会いにくるということもなく、縁が薄れてしまっていると思います。クチナシが取り持つ縁で続いているようなものです。
薬用としてのクチナシの果実は解熱、利尿、降圧、止血作用などに効果があるそうです。
煎じて黄疸の治療薬に用いられる事が多く、その他にも不眠など精神安定の働きも含まれているそうです。
クチナシの果実は風通しのよいところで陰干ししてから保存します。
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クチナシの育て方
◆植え付け場所
クチナシは常緑樹で関東以南であれば露地植えの栽培が可能です。
肥沃で水はけ、水もちの良い場所を好み、日当たりがよいところ~日陰でもよく育ちます。
◆植え付け時期
基本的に移植や植え付けは4~5月・9~10月が適期で寒冷地は暖かくなってからが最適です。
春は落葉する時期と重なるので、植え替え後は葉が丸坊主になっても5月末ごろまでに葉が茂ってくるので大丈夫だと思います。
◆植え付け用土
植え付けの際は完熟堆肥を多めにすきこんで植え付けます。
◆肥料
2月に寒肥として株周りに堆肥と鶏糞などを埋め込みます。
我が家のクチナシは花壇の中にあるので、特に与えなくても他の植物に与えた栄養をもらっているようです。
普通は芽吹きと花後に緩効性肥料を与えます。
クチナシの花が咲く整枝・剪定のコツ
クチナシの花が咲かないという原因は剪定のミスか虫害などです。
◆剪定方法
クチナシの花芽は春からに伸びる枝の先端に7月にできます。さらにそれから伸びる枝の先端に9月にも花芽が2回できるので、秋~冬にかけての花後の刈り込みが強いと7月と9月にできた2回分の花芽を一緒に切ってしまうことになります。
花の終わった直後に剪定を行った場合は、秋から春にかけては枝先の選定は行わないようにします。秋にできた2回目の花芽まで切ってしまうことになるからです。
2段階でできた花芽を剪定しないでおくとたくさんの花が咲きます。
その場合は枝ぶりを乱すような徒長枝だけを元から切るすかし選定をします。
また花がたくさん咲くと枝もあまり伸びないので、それほど剪定の必要がありません。
剪定が必要な場合は花が終わっていない7月中に剪定するなど早めに行います。その後に伸びる充実した新梢が秋に花芽をつくるからです。
くちなしの増やし方
クチナシは簡単さし木でふやす事ができます。
春か初夏に行います。初夏に行うときはその年に出た充実した新梢を15cm位切ります。1時間ぐらい給水を行ったら、湿らせておいたさし木用の用土や川砂、赤玉を入れた鉢にさします。順調にいけば1~2ヶ月程度で発根し、芽を伸ばします。3年で開花します。
半日陰の場所で乾かさない様に管理するのが非常に大事です。
病害虫
オオスカシバの食害があります。6月~10月が多い。最後に写真がありますが、虫の苦手なかたはスルーしてください。
我が家のクチナシは一度オオスカシバにあっという間に丸坊主にされて枯れそうになりましたが、下のほうにいくつかの芽が出てきました。そのままの状態にしておき、坊主にされた太い枝は、芽が出て育った若い枝の上からバッサリ切りました。
そうしたらその若い枝が2~3年のうちに元のような大きさのクチナシの木になりました。このころになるとオルトランを株元に撒いておきます。
それでもまだいたらジェット噴射の殺虫剤をシューっと吹き付けます。
また最近は消毒を全然していませんが、不思議なことに被害が大きくなりません。
多分ニホンカナヘビやカマキリなどの天敵が活躍してくれるのでしょう。
スス病
もし、葉っぱが黒くなって水で洗い流すと落ちる様であれば、スス病と考えましょう。
スス病はカイガラムシやアブラムシなどの排泄物や分泌物などを養分として寄生する腐生性のカビなので、カイガラムシやアブラムシの対策をします。
スミチオン乳剤などを定期的に散布すれば 病害虫はたぶん防げるでしょう。
消毒しなければ庭や野菜畑にもいろいろな天敵がいます。多くの種類がいるテントウムシやヒラタアブ類、クサカゲロウの幼虫、クモ類、狩りバチ、ヨコズナサシガメなど。
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鉢植えのクチナシ栽培
枝がいくぶん横に這う、葉の小さなコクチナシや八重クチナシで四季咲きの園芸品種もあります。園芸店などで苗を買うか、初夏に挿し木で増やしたものを植えます。
さし木2~3年生苗なら、5~6号の深鉢に植えます。
◆時期
植え替え作業は春から初夏(4~5月上旬)、または8月下旬~9月に行います。
鉢植えが根詰まり状態であれば1/3ほど古い土を落として根を整理して、一回り大きな鉢に新しい土を使って植え替えをします。
または既に大きな鉢であれば、その鉢のままで土をスコップで何ヶ所か取り去り、新しい用土を入れます。
クチナシを鉢で栽培する場合は、 乾燥に注意して育て、寒い地方では冬は暖かい場所におきます。
◆植え付け
さし木2~3年生苗なら、5~6号の深鉢に植え付けます。
大きくなれにつれ、鉢も徐々に大きくしていきます。
これ以上大きな鉢にしたくない場合は、根を1/3ほど切り詰め、枝も切って全体に小さくします。(花の終わった早い時期の6月~7月に)
◆置き場所
鉢土は乾燥させると、枝が細くなり、花つきが悪くなります。乾燥に注意しながら、夏は西日の当たらない場所、冬は暖かな場所に置いてください。
また、土がアルカリ性になると葉が黄色くなります。
石灰分を含まない緩効性肥料を花が終わったら施します。
◆水やり
乾いてからたっぷり与えます。
◆肥料
発酵アブラカスなどを置き肥。
特に芽吹きと花後に緩効性肥料を与えます。
◆病害虫
オオスカシバの幼虫です。
昔は死ぬほどイヤな虫でしたが、見るのもだいぶ慣れました。
2007-9-1
オオスカシバの成虫は結構きれいです。
2007-6-4
この年になってから、俄然虫類に興味がわいてきました。不思議なことです。
一生、そういうことはないだろうと思っていましたが、写真を撮るようになってからが特にそう感じます。
やはり花や野菜を育てていると虫類をムシすることはできません。(あれっ